ソフトウェアの特許の事なら河野特許事務所

閉じる
一覧  |   トップ  


色彩のみの商標が出願可能!

~ブランド力の強化に~

2015.6.1 野口 富弘

 海外では、「色彩のみ」、「音」等からなる新しいタイプの商標が保護され、その動きも広がりつつあります。グローバルに事業を展開する我が国企業の中には、海外で新しいタイプの商標の権利を取得して活用する事例があり、新しいタイプの商標の保護のニーズが高まってきました。
 我が国でも、本年4月1日より、新しいタイプの商標が出願可能となりました。
 今回は「色彩のみからなる商標」についてご説明します。

1.「色彩のみからなる商標」とは
 単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標であり、輪郭のない色彩だけの商標です。従来の商標でも、文字や図形等に色彩が結合したものがありますが、色彩はあくまで付随的構成要素でした。「色彩のみからなる商標」は、図形等と結合していない色彩そのものとなります。また、「色彩のみからなる商標」は、色彩そのものだけでなく、商品等の特定の位置(例えば、部位の名称等で特定することができます)に色彩を付すものも含まれます。

2.「色彩のみ」をどのように特定するか
 色彩が表示された図又は写真とともに、色彩名、三原色(RGB)の配合率、色見本帳の番号等、また、複数の色彩を組合せる場合には、それぞれの色彩の配置や割合等(例えば、商標が赤色、緑色、黄色の3色の横縞の場合、配色は、上から順に赤色が商標の縦幅の60%、緑色30%、黄色10%の如く)についての具体的かつ明確な説明が必要となります。

3.「色彩のみからなる商標」が登録されるためには

 従来の商標と同様に、自他商品役務の識別力を有すること、他の商標と類似しないことなどの登録要件が必要となります。また、単一の色彩それ自体には創作性や特異性がないので、審査では、原則として、自他商品役務の識別力を有しないものと判断されます。しかし、商標の使用状況に関する証拠を提出して、商標を継続して使用した結果自他商品役務の識別力を有することを証明することができれば登録される可能性があります。

4.「色彩のみからなる商標」のメリット
 色彩を付する対象としては、商品の全体(例えば、靴全体)、商品の部分(例えば、靴底)、サービスの提供に関連して使用される物(例えば、車輌)、商品の包装紙や包装箱、広告等の看板などに使用することができます。色彩は、商品や包装を装飾するために施されるものですが、商標登録が認められれば、従来の文字商標や図形商標とは異なる態様で商品役務の識別力を発揮すると考えられ、ブランド戦略上の大きなメリットが得られると思われます。

◆ 商標に関するご相談は、お気軽に河野特許事務所までお問い合わせください。

閉じる

Copyright(c) 河野特許事務所