ソフトウェアの特許の事なら河野特許事務所

閉じる
一覧  |   トップ  


新しいタイプの商標の審査結果公表

~垣間見える登録の困難性~

2015.12.1 八木 まゆ

  2014年度の商標法改正によって新しいタイプの商標の登録が認められることとなったことは既報(2015年2月号及び6月号)の通りですが、この度、それらの新しいタイプの商標について初めて登録が認められたものが公表されましたので紹介いたします。
  2015年4月1日から新たに商標登録出願が可能となったタイプは、音、動き、位置、ホログラム、色彩の5種類です。4月1日の初日だけで481件出願されていますが、今回、登録の査定が出されたのは43件となっています。登録査定が出された商標を参照しますと大半が、TVCMでよく目にしたり、耳にしたりする馴染みのある映像に対応する音又は動きです。例えば以下のようなものです。


  今回の公表によると、これまでに 出願件数が最も多い色彩の商標については1件も登録が認められていません(表2参照)。11月25日現在でも登録は公表されていません。そして、今回最も数多く登録が認められた音 
の商標についても、言語的要素(当てられている言葉、歌詞など)を含まない所謂ジングルと呼ばれる音の商標は認められていません。今回早々に登録が認められたのは、単独で商標登録が受けられそうな識別能力のある言葉に音程及びリズムが当てられているものばかりです。インテルの音商標のような、音階及びリズムのみで特定できるものは、現時点では登録査定が公表されませんでした

  これらから、絵柄も言語も無い商標について識別能力を有すると判断することへの困難性及び慎重な審査の姿勢が伺えます。言語も絵柄もなく、それのみでグローバルに通用する音又は色彩等の商標の登録を認めてもらうには、既に獲得している識別能力の高さ、即ち相当著名である等の事情が必要だと思われます。

■ 商標登録について質問・相談がございましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡ください。

閉じる

Copyright(c) 河野特許事務所